1991年3月5日より、スイスのジュネーブにて開催された
第61回ジュネーブ・ショーにて、MX-3は注目を浴びつつデビュー。
このショウは、湾岸戦争の影響であまり振るわないのでは…と危惧されていた。
しかし、フタを開けてみると、例年に無い賑わいだったとか。

mazdaブースの中央に、白いベールに包まれて沈黙を守るクルマが一台あった。
勿論、世界最小のV6エンジン(当時)で話題になる(ハズだった)MX-3がそこにいた。
何故にmazdaがMX-3のデビューにジュネーブを選んだのか。
それは、製作者側として絶対的な自信を持っていたに違いない。
世界中からジャーナリストが集まり、批評眼を向けられるのだから、
よほどの自信が無い限り、ジュネーブをデビューの場としては選ばないはずである。

当日午後1時少し前、儀礼兵に鼓笛隊、サーベルを持つ兵士が入場し、
mazdaブースに集まる。号砲の後、遂にベールが取り払われた。
多くの取材陣に取り囲まれる中、真っ赤なボディ(ブレイズレッド)のMX-3がデビュー。
猛烈なストロボのフラッシュが続き、mazdaのスタッフはジャーナリスト達の
質問攻めになり、てんてこ舞いになっていたそうだ。
3月5・6日のプレスデーもさることながら、7日からの一般公開日以降も
ほぼ連日のようにmazdaブースではパニックの様な状況が続いたという。

白いベールに包まれた… 儀礼兵 除幕式 遂に登場!

1991年5月17日、ユーノス・プレッソが発表された。
1991年5月26日、東京ベイヒルトンホテル・クリスタルグランドボールルームにて
潟ーノス主催による、ユーノス・プレッソ予約会が開催された。
展示車6台、試乗車19台を揃えた一大イベントとなった。

1991年6月1日、ユーノス・プレッソ発売。
1991年6月18日、AZ-3発売。





プレッソはまだしも、AZ-3が売れなかった理由は何となく分かる気がします。
当時発売された雑誌に目を通してみても、酷評が非常に多いです。
『プレッソの廉価版』だとか散々悪態をついている雑誌もあるくらい。
確かに、当時バブルの波に乗り販売チャンネルを増やしていたmazdaにとって、
車種を増やすためと言う大義名分もあった事でしょう。

しかし、『AZ-3はAZ-3。プレッソはプレッソ。』そう考えて欲しかったです。
発売当時ははっきりと性格分けされており、プレッソは高級感あふれる車、
AZ-3はもっとカジュアルに、乗りこなすと言うより着こなす車。そう定義されていました。
ただ、mazdaサイドからも援護は少なく、1993年には統合された形に…。
1998年3月には、残念ながら販売終了となってしまいました。

この2車種の登録データが手元に無いのでハッキリとは言えませんが…
全くと言っても過言は無いくらい売れなかったようです。
現在も、中古車専門誌・サイトを見ても、関東でほんの数台しかないですし。

「RX-7は高くて乗れない」「ロードスターは2シーターだし…」
「でも、スポーツカーに乗りたい!」という意見に、見事に答えているのに。
もうちょっと売れてもイイんでないの?と思うのですが、時代が悪かったのでしょう。
スポーツカーの時代が終わりつつあった頃だったし、デザインも10年早すぎたとか
ロードスターのエンジンが積んであれば…とか、今頃になって言われています。
とは言ってもまぁ、売れなかったんです。実際問題。
しかし、今となってはそこがまた魅力ではないかと思います。
「売れている車=良い車」という図式を否定する気はありませんが、
「売れてない車=悪い車」という図式には、真っ向から否定します。
実際、Car of the Yearを受賞したFTOも、さほど売れていませんし。

先にも書きましたが、マイナー車だからこその魅力があります。
自分が好きで買った車が、そこいらに沢山いたら楽しくないと思うわけです。
AZ-3なんて、下手すりゃ月に1台すら見かけませんし、プレッソも2週に1台見ればイイ方。
あの先鋭的なボディは遠くから見てもすぐ判別がつきますし、
エアロパーツ、アルミ、エンブレムの全てが取り替えられていない限り、
AZ-3/PRESSOの区別をつけることが出来ます。(普通は分からないらしいです・笑)
(そういえば、過去にイタ車と勘違いされたこともありました。ちょっと嬉しかったり…)

とにもかくにも、私にとってAZ-3はかけがえの無い相棒。
乗っている事自体が自慢であり、誇りでもあります。
渋滞時だって、『せっかく停まってるんだから、もっと相棒に注目してくれ!』状態。
可能な限り乗り続けたく思うわけです。

<2005.10.10.>
↑照英が結婚した日・笑

追記〜販売台数〜
PRESSO⇒12,140台
AZ-3⇒8,360台
だそうです。売れてね〜なぁ(^^;
<2006.02.22.>





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