エンジンについての小話


【内径×行程とは?】
クルマに搭載されるエンジンは大半が4気筒または6気筒で、一部に8気筒や12気筒などもあります。 AZ-3では4気筒と6気筒ですね。
この気筒(シリンダー)というのは、 ピストンが往復運動をする部分のことで、 内径×行程の数字(単位はmm)はその大きさを表しています。 内径はピストンが往復運動をする円形のシリンダーの内側の直径を示した数字で、 行程はピストンが往復運動をする距離を示しています。 内径×行程の数字に気筒数を掛けた数字がエンジンの排気量になります。

【Case of "直4DOHC16バルブ"】
AZ-3のメインモデルには、4気筒で1498ccのB5エンジンが搭載されています。
(兄弟車のPRESSOにおいては、中期追加モデルになります。)

このエンジンの内径×行程は78.0×78.4と設定されています。 つまり…
@シリンダーの断面積=半径×半径×円周率=39.0×39.0×3.14=4775.94
Aそれに行程の78.4を掛けます。4775.94×78.4=374433.696
Bさらに気筒数の4を掛けます。374433.696×4=1497734.784
C結果として、AZ-3のB5エンジンは、約1478ccということになります。
上記のB5エンジンでは内径よりも行程のほうが大きくなっています(78.0×78.4)。 こうしたタイプのエンジンを『ロングストローク(行程)型エンジン』と呼びます。 これらのエンジンは一般にトルクを出しやすいとされ、実用エンジンに多く採用されています。


【Case of "V6DOHC24バルブ"】
AZ-3の中期追加モデルには、6気筒で1844ccのK8エンジンが搭載されています。
(兄弟車のPRESSOにおいては、メインモデルになります。)

このエンジンの内径×行程は75.0×69.6と設定されています。 つまり…
@シリンダーの断面積=半径×半径×円周率=37.5×37.5×3.14=4415.625
Aそれに行程の69.6を掛けます。4415.625×69.6=307327.5
Bさらに気筒数の6を掛けます。307327.5×6=1843965
C結果として、AZ-3のK8エンジンは、約1844ccということになります。
上記のK8エンジンはB5エンジンとは違い、行程より内径のほうが大きくなっています(75.0×69.6)。 こうしたタイプのエンジンを『ショートストローク型(又はオーバースクェア型)』と呼びます。 ストロークが短いほど回転数を高めやすくなるので、 高回転型のスポーティなエンジンに多く採用されています。

仮に、行程の数字はわずか80mmだとしても、それが1分間に6000回転(往復)するとなると、 ピストンが往復運動をするスピードは時速で計算すると100kmにも達します。 ですからショートストローク型エンジンといっても限界があるわけですが、 ロングストローク型に比べるとエンジン回転を高めやすいのです。 ただ、内径の数字が大きくなることは、エンジンの全長が長くなることにつながりますから、 エンジンのコンパクト化を考えるとショートストローク型は必ずしも良いとはいえない面もあります。


【内径と行程が同じものもある】
内径の数字と行程の数字がまったく同じになるエンジンはスクェア型のエンジンと呼ばれ、 出力とトルクのバランスの良いエンジンとされています。 このように、内径×行程はエンジンの特性を推測させるものとなるのです。


【結果として言える事】
AZ-3とユーノスプレッソがデビューした当初から、 『AZ-3(B5エンジン)は軽量化されており、フロントヘヴィーなプレッソ(K8エンジン)と比べ キビキビ走る。燃費も悪くは無いので街乗りに適している。』と言われているのです。 しかし、ショートストローク型のプレッソに比べるとパワーが落ちてしまいます。 内径と行程がほぼ同じなB5エンジンは、スクェア型のエンジンに限りなく近いことから、 バランスの取れたモデルであるという事が出来るのではないでしょうか。

しかし、この性格分けも中期以降からはあまり意味を持たなくなってしまいましたが…
(両車ともB5もK8も搭載するモデルが出てしまいましたからね)






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